ノロの記憶
〔アルミニウム〕




  ノロというのは、鋳物を作る時に出るカスというか廃棄物のことです。
  昔、南中学の前の堤防には何本もの立派な桜の木がありました。それが、スーパー堤防建設のために切り倒されることになり、二本ほどが向かいの本一広場遊園に移植されました。僕の二作目の川口イラストマップ『川口歴史WALK』(2003年作成)にもそのことを書いています。しかし、結局移植は失敗に終わり、桜の木は枯れてしまいます。本一広場でゲートボールをされていたお年寄りに、こう聞かされました。
 「そりゃあ、無理なのよ。ここらの地下にはノロがいっぱいだからな。根付きっこないのさ」
  そうか、それが川口か……と枯れた桜を残念に思いながら、僕の頭の中には別の想いが湧き起こっていました。
  そうか!工場がなくなろうとも、僕らの足の下にはノロが在り続ける……これこそ、地下に隠された川口のエネルギーだ……何百年も積もり重ねられたノロ……そこから発せられる《鋳物師の魂》のようなものが足のウラから伝わって、僕らに《創る力》を与えてくれている……そうに違いない!
  僕は確信したのでした。



◇「川口鋳金工芸教室」の課題実作を終え、自主制作に取りかかったものの、単行本の執筆などに時間を取られ、なんと二年がかりのレリーフ製作になってしまいました。教室2階の作業机を専用に使わせていただいたり、アドバイスをいただいたり、はっぱをかけていただいたり……川口鋳金工芸研究会の皆さんには本当にお世話になりました。
◇別府転居も決定しており、どうしても第24回川口鋳金工芸作品展には間に合わせたく、鋳造は《チューキンのアニキ》・木村軽合金の木村一郎さんにお願いしました。また、木枠は、「おもちゃのこまーむ」の小松和人さん(TVチャンピオン『輪ゴムクラフト王』)の手によるものです。わがままなお願いに快く応じてくださったお二人には感謝の気持ちでいっぱいです。

◆木村軽合金を紹介するWEBサイト◆  ◆おもちゃのこまーむWEBサイト◆





鈴木文吾先生にも観ていただきました
貴重な写真になりました
(右はアルミ鋳造の大瀧和男さん)


木枠を作っていただいた小松和人さんと







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