『マシイッソヨ!韓国』

田代しんたろう

《《《マシイッソヨ(おいしい)!韓国》》》の第一回は・・・・・
なんと言っても「スンドゥブチゲ」


ドゥブは豆腐、豆腐鍋です。
ただしスンが付いてるでしょ。
韓国では少女漫画のことを「スンジョン(純情)マナ(漫画)」と呼びますが、そのスン(純)です。
純豆腐鍋。ニガリを入れて固めていない生豆腐の鍋です。
キムチの汁とかで味付けされ、一人前ずつの土鍋でグツグツ煮立ったのが出てきます。

僕が一番好きな韓国料理です。

1997年、東大門スタジアムでの芸能人チームのサッカー試合が終わった後
ヨイドの柔道場に取材に出かけたのですが、スタジアムを出ると急にお腹が空いてきて・・・・
通訳の浦川さんに「スンドゥブチゲが食べたーい!」
スタジアム近くの定食屋さんに入ると、うまい具合にあったんですね、「スンドゥブチゲ」。
浦川さんは「お腹空いてないので、私見てます」だったので
一人で汗をかきかき食べました。

・・・・夏でもマシイッソヨだったなぁ。



《《《マシイッソヨ(おいしい)!韓国》》》
朝食と言えば「ヘジャンクク


1992年にサッカー交流で渡韓した初日の早朝、どこかやってる食堂はないかな・・・
市庁裏のホテル周辺をウロチョロしました。
そこで見つけたのがチョンジンオク(清進屋)というヘジャンククのシクタン(食堂)で
した。

ヘジャンククというのは牛の血の固まりとか臓物入りスープの雑炊です。
二日酔いの回復に効果があると言われています。
後で知ったのですが、たまたま入ったチョンジンオクでしたが
ヘジャンククの老舗としてソウルの中でも有名店でした。
確かに、黒塗りの公用車が止まって運転手さんが待っていたりします。
重役さんが出勤前に朝食を取っているのでしょう。
チョンノ三街(サムガ)から歩いても地下鉄ひと駅くらいなので
前回の渡韓の際もおださんとモギョタン(沐浴湯=銭湯)で朝風呂の後
散歩がてら出かけました。

チョンノ三街(サムガ)にも「ヘジャンクク」と書いた板きれを立てかけた
戦後の闇市食堂のようなシクタン(食堂)があります。
日本で言うと立ち食いそば屋のノリで「大衆」が朝食をかき込んでいます。
ただし、ここのヘジャンククには血の固まりは入っていません。
単なる「白菜汁」。
でも、キムチ食べ放題で150円くらいですから文句は言えません。
「大衆」の皆さんと一緒になってかき込みます。



《《《マシイッソヨ(おいしい)!韓国》》》
安くてうまいのが東大門の「タッ(ク)ハンマリ」鶏一匹鍋


ガイドブック的に有名なのは東大門野球場の向かい側にある
「チョンガッチ・タッ(ク)ハンマリ」のようですが
僕らが行くのは昔からの東大門市場の入口のところにある
二軒の鶏鍋屋さんの内の片方です。
「元祖・・・」と漢字で書かれていない方。
「元祖・・・」と書かれている方は元祖でなく
僕らが行く方が本家本元の元祖らしいです。

というように、ソウルでは一件ヒットする食べ物屋が出ると
その周辺に類似店がたくさんわき出てきます。
奨忠公園の近くのハルモニジプを元祖にする豚足(チョッパル)の通り
ミョンドン(明洞)のヘームルタン(海鮮鍋)横丁
とかいろいろあるようです。

さて「タッ(ク)ハンマリ」ですが・・・
鶏一匹が丸まんまスープに漬かった洗面器のような鍋が
卓上のガスコンロにかけられます。
鶏以外にはジャガイモがやはり丸まんま2〜3個入っています。
その他の野菜はナシ。あっさりタイプの白菜キムチは出ています。

グツグツ煮えてきたところでハサミでジョキジョキ切り分け
自分なりに調合したタレを付けて食べるわけです。
タレの材料としておいてあるのは
酢、醤油、洋カラシ(黄色い)、コチュジャンです。
日本人的には洋カラシ入り酢醤油が合うかもしれませんが
韓国的には、まずコチュジャンを器にドバッと入れ酢で少しゆるくする
といった感じのタレで食べている人が多いようです。

メクチュ(ビール)かチンロ(眞露)をやりながらガサガサいただきます。
トイレットペーパーが天井からぶら下がっています。
ナプキンとして使い放題です。

鶏とジャガイモを食べ終えたらミョン(麺)をたのみます。
打ち粉の付いた生麺(うどんタイプ)が来ますので
鍋にぶち込み、もうひと煮立ち。
この熱い麺がまた旨い。コチュジャンダレをつけて食べます。
ドロドロになったわずかなスープを鍋に残し、
チャルモゴスミダ(ごちそうさま)。

一鍋四人くらい、いけますが・・・一鍋1000円。(一昨年)
四人で総額2000円くらいで大満足です。



《《《マシイッソヨ(おいしい)!韓国》》》
ハルモニジプのチョッパル(豚足)


1997年の第二回年賀はがき展のとき
カトゥン・パンチのみんなと食べに行きました。
雪の日でした。

ハルモニジプの豚足は一口サイズにカットされた肉片が
綺麗に山盛りにされて出てきます。
焼き肉同様サンチュやケンニップ(エゴマの葉)に包んで食べます。
コチュジャンやアミの塩辛といった調味料
ニンニクや青唐辛子の薬味も並びますので
お好みにはさんで巻き込みます。

肉の山は外側は見た目の良い肉片でおおわれており
中に進むほど骨やら食べにくい部位が出てくる構造になっています。

その時は総勢10人くらいだったと記憶しますが
メクチュ(ビール)やチンロ(眞露)をやりながら、たらふく食べて
総額5万ウォン(5000円)前後でした。

支払いを終えてふと横を見ると
入口脇のまな板コーナー?でオバチャンが
まだまだカット作業を続けていました。



《《《マシイッソヨ(おいしい)!韓国》》》
パジョン


カトゥン・パンチのみんなとはいろんな物を食べました。
去年は仁寺洞(インサドン)の「オウロンドウロン」という居酒屋で食事をしました。
その様子は、こちらで。
居酒屋でのつまみの定番が「パジョン」です。
ネギ(ワケギ)入りのお好み焼き。
必ずと言っていいほど注文しますね。
適当な大きさにチョカラ(箸)で切り分け、小皿のお醤油をちょっとつけて食べます。
この時、韓国の人はあまり「大事に味わう」というような素振りをしません。
たいがい「食べる」っていう行為を「偉そうに」やりますね。
あれって、なんなんでしょう?
特にパジョンの場合はすごい料理じゃないので余計そう感じますね。
「へん、こんなもん」という感じで口に放り込みます。

パジョンとチヂミはどう違うかというと・・・・・
チヂミは好みでいろいろな材料が入るのに対して
パジョンはワケギタイプのネギが必ず入っているのだそうです。
昨日のランチの韓国料理屋さんで聞いてきました。ハハ
「パ」がその「ネギ」の意味だそうです。

パジョンというと現韓国漫画家協会会長の金水正(キム・スジョン)さんを思い出します。
<漫画交流/恩人の皆さん>のところでも書きましたが
一昨年の会食の時も一人で焼き肉を焼いてサービスに努めてくれました。
その後、二次会でやはり居酒屋に行ったのですが
目ざとくスジョンさんを見つけてサインをお願いにくるお客もいる中で
僕らのためにニコニコとパジョンを切り分けてくれてるんですよね。
本当にいい人だなぁって思いました。



《《《マシイッソヨ(おいしい)!韓国》》》
マッコリ


マッコリは日本で言うドブロク、にごり酒です。
度数は日本のにごり酒よりずっと低いと思います。
<漫画交流/恩人の皆さん>の中で行きつけの宿のオジチャンが
マッコリの「銘酒」を振る舞ってくれた話を書きましたが
忘れられない店が一軒あります。

1997年夏に日本芸能人サッカーチーム「ザ・ミイラ」のゲストで渡韓したときに
浦川さんに連れていってもらいました。
試合後、韓国農協女性部を取材する予定にしていましたので
農家家庭雑誌「家の光」の編集者と三人でした。
タプコル公園横のセブン・イレブンの裏手にある
それはそれは「あばら屋」な呑み屋さん。いわゆるバラックですね。

入ると若い人がわんわんで、木箱を積んだようなテーブルでわいわいマッコリを飲んでるわけ。
浦川さんの説明では、密造マッコリ。
酒器?が凄い!
お酒が入ってくる器はヤカンか洗面器ね。
飲む器は昔の給食で使われていたアルマイトの小ボール型お椀。
ヤカンは注げばいいけど、洗面器で来た場合はそのお椀ですくうのね。
そのままお椀の縁を親指と人差し指でつまんでグビグビやるわけ。

屋根のあるスペースに入りきらない人は
奥の裏庭というか空き地で車座になって飲んじゃってる。
ホント若者の「呑めり場」って感じ。

つまみも2、3種類しかなくて・・・・
ホッケの焼き魚と野菜炒めみたいな物を浦川さんが頼んでくれました。

ま、なんせ、料理なんてどうでもいいの世界。
呑んで、語って、盛り上がる。マッコリ、もうひと洗面器!!

昔の韓国家屋のムナ・ヨグァン(文化旅館)もなくなったそうだけど
まだあるのかなぁ?あのマッコリ世界。



《《《マシイッソヨ(おいしい)!韓国》》》
ソルロンタン


タンは湯の意味で、食べ物の場合はスープですね。
コムタン、カルビタン、サムゲタン・・・・いろいろありますが
僕が好きなのはソルロンタン。
牛一頭を丸ごと煮込んだ・・・・という、白濁スープです。

日本の焼き肉屋さんでコムタンやカルビタンを頼むと
ご飯が入ったオジヤ状態で出てきますが
韓国では普通、スープとご飯は別々に出てきます。
混ぜたい人はスープどんぶりのなかにご飯を入れていただきます。
日本の「ぶっかけご飯」の場合はご飯に汁をかけますが、韓国は逆ですね。

以前、ガイドブックの地図をたよりに「元山亭(ウォンサンジョン)」という
ソルロンタンの有名店へ行きました。
ソルロンタンも美味しかったんですが、いっしょに出てきたカクテキが素晴らしかった。
唐辛子が香ばしくて、実にマシイッソヨ!
後で聞くと、ソルロンタンとカクテキは付き物で、名店はカクテキも必ず美味しいそうです。

チョンノ三街(サムガ)のほど近くに里門(イムン)ソルロンタンっていう有名店があって
朝7:30からやってるそうなので15日の朝食はそこにしましょうね
おださん、トミタさん、いわみさん。

というわけで、月曜日出発でソウルへ行ってきます。

#最近、韓国から書き込みをしてくれているKUDEKIさんですが
#この展覧会にも出展してくれている「シン・ミョンファン」さんです。
#16日にはソウルの展覧会場で一緒に似顔絵プレゼントをすることになっています
#と、韓国漫画家協会のホームページに書かれていました。



《《《マシイッソヨ(おいしい)!韓国》》》
ビビンパップ


今回のソウル滞在でもいろいろなものを食べてきましたが
一番マシイッソヨというか印象に残ったのが・・・1月16日のお昼ご飯に食べたビビンパップ。
新しくできた「韓国漫画博物館」を見学した後、プチョン漫画情報センター近くの食堂で
趙寛濟(チョ・カンジェ)さんがご馳走してくれました。

まずカボチャのスープを飲み終わると・・・・
モヤシ・ゼンマイ・大根・ゴボウといった野菜が三人前ずつ仕切のある丸いお盆に入って出され
ボール型のお椀にはご飯だけが装われて出てきます。
そのご飯が100%麦!!
自分で各種の野菜を麦ご飯の上に載せ(10種類くらいあったかなぁ)
コチュジャンで味付けして混ぜ合わせます。
載せる具材は野菜のみで動物性タンパクはナシ。

おまけに、サンチュや数種類のポッサム(包む)用の葉っぱも出てきます。
野菜と麦のビビンパップをさらに葉っぱでくるんで食べるわけです。
なんてヘルシー!!

「韓国でも伝統的な健康食が見直されています」と教えてくれたボランティア通訳の老紳士が
「麦ご飯はいいんですが、すぐにオナラが出ますよ」と忠告をくれ・・・・
すぐにソウルへ戻って似顔絵プレゼントなので「困ったなぁ」と思っていましたが
三人ともそれほどの副作用はなく・・・・やれやれ。



《《《マシイッソヨ(おいしい)!韓国》》》
ブデチゲ


チョン・モンジュン(鄭夢準)氏がお見えになったオープニングパーティーには
キム・スジョン(金水正)さん始め漫画家協会の重鎮の皆さんは勿論
若手のカトゥン・パンチの面々&浦川広子さん
僕の韓国の兄貴と言えるジョン・ヒーグー(田喜久)さんも奥さん同伴で出席。
加納由美さんもソウル滞在中で駆けつけ、チョン・モンジュン(鄭夢準)氏との通訳をしてくれました。

パーティー終了後「さて、どうしたものか?」となったわけですが
ジョンさんの「タシロ」「タシロ」の強引さのなすがままに
ジョンさんご夫妻、カトゥン・パンチの9名、浦川さん、由美さん、トミタさん、おださん、いわみさん、田代で二次会へ移りました。
で、入ったのが「ブデチゲ」のお店。
<ブデ>というのは<部隊>で「ブデチゲ」は部隊鍋。
駐留米軍からの流出食材を使った鍋でハムやソーセージが入るのが特徴。
インスタントラーメンやトック(お餅)も入ります。
要するに、現代風具材の若者向き鍋です。辛いコチュジャン味。

メクチュ(ビール)やソジュ(焼酎)をやりながら皆でつつきます。
僕はソジュ(焼酎)。「山(サン)」という銘柄で、サッパリ系でした。

実は、空港からのバスに酔ったのかすごく調子が悪く
オープニングパーティーでも「ヤバイなぁ。倒れたらどうしよう」の感じで
二次会でも「飲んで大丈夫かなぁ」心配だったんですが
辛いブデチゲを食べて頭から汗をかいている内に、見る見る調子の悪さを忘れ・・・
調子が良くなったというより、調子の悪さの認識がブッ飛んだ!ハハ
凄いですね、韓国料理は。
二次会の写真は、こちらで。

二次会終了後は・・・・
いつかも書きました通り、宿舎の鳳凰荘でカトゥン・パンチの皆とプレゼント交換
カイバイボー(ジャンケンホイ)大会に移りました。ハイ



《《《マシイッソヨ(おいしい)!韓国》》》
トガニタン


15日は予定通りモギョタン(沐浴湯=銭湯)で朝風呂の後
里門(イムン)ソルロンタンへ朝食をとりに出かけました。
外観は堂々たる木造韓国家屋。店内も天井が高く立派な店構えでした。

前日、加納由美さんが「里門(イムン)ソルロンタンならトガニタンがお薦めです」と言っていたので
四人でソルロンタン二つ、トガニタン二つを注文。
テーブル中央には大きなステンレスのカクテキBOXとキムチBOXが置かれています。
トングでそれぞれの皿に取り分けますが、キムチの方にはハサミも差してあります。
白菜一枚大のままなので、皿に取ってからハサミでジョキジョキ切るわけです。

ソルロンタンは牛の白濁スープの中にご飯が入った状態で出てきます。
薄い肉片が数枚浮いています。
トガニタンはスープとご飯が別々に出てきました。
硬めのゼリーのような軟骨がゴロゴロ入っています。それがトガニ。
牛の膝の軟骨だそうです。半月板かなぁ?
ソーメン状の麺も少し入っていました。

スープは味があまりないので自分で塩や赤唐辛子粉で味を調えて飲みます。
軟骨や肉片は小皿の醤油を少し付けて食べます。軟骨はなかなか食べ応えアリ。
ソルロンタンの肉片とトガニタンの軟骨を交換したりして食べるのですが
ボールのそこにはゴロゴロの軟骨がたくさん沈んでいて・・・・
食べれど、あげれど、トガニ、トガニ、トガニ、トガニ・・・・・・
ギブアップ!
申し訳なかったのですが、残してしまいました。

韓国の人の間では「トガニタンは膝に良い」という定評があるそうです。
もう少し早くから食べていれば、サッカー続けていられたかなぁ。



《《《マシイッソヨ(おいしい)!韓国》》》
キムパップ&オデン


二泊目と三泊目はホンデイック(弘大入口)のホテルに移りました。
馴染みのない街でしたので、朝はシクタン(食堂)探し。
地下鉄駅近くの屋台では鉄板でホットサンドイッチを売っています。
いくつかあったので、割りと一般的なのかな。

やはり駅近くの小さなシクタン(食堂)のガラス越しにキムパップが見えたので入りました。
キムは海苔、パップはご飯ですからキムパップで海苔巻きです。
日本で言うと太巻きタイプでいろいろな具が入って、ゴマ油風味の海苔で巻かれています。
ご飯は酢飯ではなく、味の付かないパクハン(白飯)です。
その店にはオデンもありました。おでんは韓国でもオデンです。
湯気が立って美味しそうです。
ホントに小さな店で、壁にカウンターと椅子。5人入れば満席。
トミタさん、おださんと三人でキムパップ3本とオデン3人分。
キムチではなく、タクアンの薄切りが付いてきました。キムパップにはタクアンなのかな?

キムパップはコンビニでもよく売られています。
でも、今回コンビニをのぞいたら「おにぎり」が多く見られました。
日本化してきたのでしょうか?

温かいオデンを堪能しているとアジュマ(オバチャン)がスープのお代わりをサービスしてくれました。
ネギが雑に切ってあったり、決して「優れた」食堂ではありませんでしたが
ほのぼのとした朝食がいただけました。



《《《マシイッソヨ(おいしい)!韓国》》》
オデン(追記)


韓国のオデンは、いろいろな材料を煮込む日本のおでんとは違います。
つみれのような魚のすり身、一種類だけです。
それをスープで煮ます。ホンデイック(弘大入口)のシクタン(食堂)では煮干しダシでした。
大きめな鰯の煮干しが取り出されずに、浮いていました。

オデンは屋台で食べるのが一般的です。
屋台の場合、薄い1.5センチ幅くらいの短冊型のすり身を波状に竹串に刺してスープに漬けてあります。
これを辛味の効いたお醤油にちょっと浸けて、立ち食いします。
鍋から湯気が立ち、寒い季節には恰好の路上食です。

ホンデイック(弘大入口)のシクタン(食堂)のオデンは屋台タイプではなく
棒状で、咬み心地も食べ応えもありました。

キムパップに代わっておにぎりが幅を利かせるようになったように
そのうち、コンビニに「日式のおでん」が登場するようになるのかなぁ。
そして、アジュマ(オバチャン)の一坪シクタン(食堂)は遠からず姿を消すのかも。



《《《マシイッソヨ(おいしい)!韓国》》》
続・マッコリ


話は前後しますが
鳳凰荘でカトゥン・パンチの皆とカイバイボー(ジャンケンホイ)プレゼント交換大会終了後
有志で外へ出て「もう一杯!」ということになりました。
翌日帰国のいわみせゐじさんが言い出しっぺで、カトゥン・パンチ5人
ブデチゲのお陰で体調不良から回復した僕も出かけました。
もう11時近くなっていました。
コ・キョンイルさんが「どこがいい?」と聞くので
「あのセブン・イレブンの裏手のマッコリ・バラックは、どう?」
「あんな所知ってるんですか?」彼は京都精華大に留学経験があり、日本語が喋れます。
行ってみましたが、あいにくお休み。同じ横丁にある居酒屋へ。
マッコリは素焼きの陶器を模したプラスチックのボールに入って出てきました。
同じ色の大きめのレンゲが付いていて、それで銘々のマッコリ茶碗にすくい入れます。
すくって注ぐのがマッコリの作法なんですね。
つまみはやはりチヂミ。

コさんがリーダーシップを取る形で話題は若手一コマ作家の連帯とかそういう話。
いわみさんはハングルを結構聞き取れるようになっていますが、僕はほとんどわかりません。
時々、コさんが内容説明。
「若手で展覧会をやろうよ」という風に話は進み
いわみさんと僕が「わてらも出すわ」
カトゥン・パンチの皆も、もう三十を過ぎてるんだけど
酒がマッコリということもあって雰囲気「青春」風。

「そろそろ」ということで外へ出ると雨。
新聞紙を被って夜中のチョンノ3街(サムガ)を歩く。
・・・・ソウルの若者群像っていうようなシーンに混ぜてもらいました。



《《《マシイッソヨ(おいしい)!韓国》》》
タッカルビ


16日の似顔絵プレゼント終了後はお世話になった日本文化センターの久保センター長にご挨拶。
それぞれ1時間程度ショッピングの後、ホンデイック(弘大入口)に戻って夕飯ということに。

どこにしようか、学生の街をブラブラしていると賑わっているガラス張りの店が・・・・
タッカルビの店でした。最近は日本でも見かけますよね。
タッカルビは丸い鉄鍋で鶏肉とキャベツなどを炒める料理。
やはりコチュジャン味で辛いんですが、サツマイモのみじん切りも入っていて甘味とモッタリ感があるのが特徴です。

ブデチゲ同様、ラーメンだとかなんとか麺だとかトック(餅)だとか追加して混ぜ込めるシステムになっています。
最後にパクハン(白飯)を頼むとチャーハンにしてくれます。
よくわからない「なんとか麺」を頼むと冷麺タイプのコシのある麺が来ました。

タッカルビの存在を知ったのは一昨年でした。
浦川さんと昼食をとる機会があり、最近若者に流行っているという店に入りました。
その時は僕が麺類を希望していたので、チェンバンクックスーという大皿盛りのサラダ冷麺を食べました。
タッカルビとチェンバンクックスーはつきものという話でした。
両方とも丸い大盤盛りをみんなでつつくのが共通です。

そんなことを思い出していたら、おださんが「あの人ひとりであんな大盛り麺を食べてるよ」
後ろを振り向くと三人前くらいのチェンバンクックスーを食べている男の人が居ます。
そういう単位でしか頼めないんですね。でも、食べたかったんですね。
僕らはタッカルビ2人前と「なんとか麺」で十分でした。

堪能して、じゃあ最後の夜を語りましょうとコンビニでお酒とつまみを買い込みホテルの部屋へ。
飲み始めると電話が鳴りました。

その後・・・・マッコリを飲む機会がもう一度訪れます。



《《《マシイッソヨ(おいしい)!韓国》》》
続々・マッコリ&アサリスープ


1月17日、タッカルビの夕食を済ませ
最後の夜を語りましょうとコンビニでお酒とつまみを買い込みホテルの部屋へ。
飲み始めると電話が鳴りました。

「ヨボセヨ(もしもし)」おださんが電話に出ました。
キム・スジョンさんとキム・ドンファさんが30分後にホテルへ来るとのこと。
最後の夜をしっかりご接待してくれようという心遣いです。
浦川さんから翌18日に韓國漫画家協会の会長選挙があることを聞いていました。
キム・ドンファさんも立候補していて・・・・
いいのかなぁ。いろいろ忙しいんじゃないかなぁ。

「どこへ行こう?」というキム・スジョンさんのお誘いに
トミタさんがマッコリを味わっていないことを思い出し「マッコリを飲めるところ」とリクエスト。
やはり、パジョンがたのまれいつものようにキム・スジョンさんが切り分けようとします。
二枚あったので、一枚は僕が切り分けました。
「日韓気配り対決」(^^)というところでしょうか。
おださんは韓国語の調子が出てきて懸命に通訳に当たってくれます。

協会の事務局の女性2名が遅れてお土産を持ってきてくれた頃
つまみの追加でアサリスープが出てきました。
アサリスープはよく酒のアテにされるようです。
いつだったか、ジョンさんがオイ・ソジュ(キュウリの千切り入り焼酎)をご馳走してくれたときも
「オイ・ソジュにはこれが合う」とアサリスープをたのんでくれました。
日本でも、お酒の一休みにシジミの味噌汁を出したりしますね。

「アサリスープは"シオナダァ"ですよね」おださんの韓国語は快調です。
「オー"シオナダァ"ヲ知ッテイマスカァ!」スジョンさんもドンファさんも感心。
「シオナダァ」は"おいしい"なんですが"マシイッソヨ"と違って
爽やかなおいしさ?心が洗われるようなおいしさ?の時に使うようです。

そんなこんなで最終日の夜は更けていくのでした。
その夜のほろ酔いショットは、こちらで。


<まだまだ書きたいけど・・・・>

タッカルビとチェンバンククス
へームルタン
茶房
全羅道定食
全州の焼き肉、定食
プルコギ/慶州
法酒
お弁当/漢江の春風
ネンミョン(冷麺)
キムパップカレー
トッポギ
ナッチポックム
ソルロンタン
サンゲタン/土俗村

いつか・・・ということで、失礼いたします。


(2002年のお正月、当時の掲示板に連載した記事です。)


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