ソウル似顔絵旅日記2000

田代しんたろう



1月21日(金)

 10時成田出発,JAL951便でソウルへ。
 「日韓ユーモア漫画家交流年賀状展」をメイン展示とした、東京の韓国文化院とソウルの日本大使館公報文化院の共同企画「日本と韓国のお正月風景展」のソウル開催でソウル市民に似顔絵をプレゼントするため。
 今回の渡韓メンバーは、江田すずめ(くぼたさとし)、おだ辰夫、クニ・トシロウ、田代早苗、浜本ひろし、マエオカテツヤ、田代しんたろうの7名。
 金浦空港到着後、田代と日本文化院担当者は韓国漫画家協会へご挨拶に。他のメンバーは通訳の浦川さんが用意した車2台で鐘路3街(チョンノサムガ)のホテルへ。
 ソウルアニメーションセンター内の新しいオフィスに移転した韓国漫画家協会に行くと、丁度その日に協会の総会が行われるということで、金童話(キム・ドンファ)さんや李(火喜)宰(イ・ヒジェ)さん、安重圭(アン・ジュンキュ)さんといった顔なじみの皆さんに再会。総会では李斗號(イ・ドゥホ)会長が2年の任期を終えられ、新会長に金水正(キム・スジョン)さん(韓国最高の人気漫画キャラクター「ドゥリー」の作者)が選任されるとのお話。
 展示会場の日本国大使館広報文化院で他のメンバーと合流、中根院長へのご挨拶を済ませたら、さぁソウルの町へ!肌を刺す冷気が、うーん韓国。
 ドライバーは浦川さんの友人ご夫妻。奥さんのシンさんは中国琴の演奏者、旦那さんのキムさんは陶芸したり・・・・の自由人っぽい方。総勢10人を2台(内1台は軽)に詰め込んで、まず、おだ辰夫さんのご希望の龍山電子市場へ。ソウルの秋葉原のようなところ。ここはさらっと場所の確認して、屋台の大判焼きとおでんを食べて、漢江(ハンガン)を渡り、江南地区へ。
 韓国の古武道「テッキョン」の道場は小さなビルの地下。40畳くらいかな。若い指導者二人が基本動作、ルール解説、模範演武と実技・説明。よくトレーニングされていて、レベルが高い。一同感心。あとから聞くと全国チャンピオンになったこともある選手とか。キムさん・シンさんご夫妻の娘さん二人(小学生)も練習生で通っている。最後に我々も基本動作の実技指導を受け、お礼に似顔絵のプレゼント。
 夕食は全羅道料理の食堂へ。30種類のキムチの小皿にイシモチの焼き魚、生ガキ、ワタリガニの唐辛子漬け、テンジャンチゲ(味噌仕立て鍋)にキムチチゲ。どれも辛くて頭と鼻から汗のシャワー状態だけど「旨い」真露もちゃんと甘いし、うーん韓国。
 午後9時半ホテルへ戻ると、宿のオジサンが「よく来た。よく来た」「200キロもドライブしておいしいマッコリ酒を買ってきてあるから、飲もう。飲もう」オバチャンがパジョン(お好み焼き)と玉子焼きを作ってきてくれて「さぁ、さぁ」ほんといいご夫妻。夜中までワイワイ。


1月22日(土)

 7時半、近くの豚焼き肉のお店で朝食。焼き肉やらカルビ湯(タン)やら5人でいろいろ食べて1万8千ウォン(約1700円)。
 田代と早苗さんは梨花(イファ)女子大近くの浦川さん経営のエステサロンへ。「まんがタイムジャンボ」誌の取材のため。早苗さんを実験モデルにして2時間ほどのコースを見学・取材。韓方(漢方でなく)薬草パックと足ツボマッサージが売り物のエステ。パックも効くんでしょうが、マッサージが腕から背中から足まで実に気持ちよさそう。
 浜本・おだチームは龍山電子市場へ。マックを扱っている店は少なく、ほとんどがウィンドウズとのこと。マエオカ・江田チームは東大門市場を散策。クニさんはホテルで仕事。
 午後1時半には全員遅刻せず文化院入り。
 2時からの似顔絵プレゼントに協力くださった韓国の漫画家さんは李斗號(イ・ドゥホ)さん・金水正(キム・スジョン)さん・ 金童話(キム・ドンファ)さん・李(火喜)宰(イ・ヒジェ)さん・趙寛濟(チョ・カンジェ)さん・趙元行(チョ・ウォンヘン)さんの錚々(そうそう)たる6名。
韓日13名の漫画家さんが200名に似顔絵プレゼント。(韓国の漫画家さんは似顔絵に慣れないということもあるのでご自分のキャラクターとサインという方も)前担当者の松田茂さんも奥さんと6ヶ月のお嬢さんと共に済州島から駆けつけてくださる。
 夕方6時からは広報文化院主催の夕食会。外に出ると雪が舞っている。近くの焼き肉料理店へ。新会長の金水正(キム・スジョン)さんはお酒が飲めない。一人で焼き肉を焼いてサービスに努めてくれる。大ヒットを出した超多忙の億万長者なんだけど、誰もが人格者と認める片鱗が見える。
プレゼントを交換しあい和気藹々のうちに終了。仁寺洞(インサドン)での二次会へ。結構出来上がったクニさんはホテルへ。おださんも同行。
 仁寺洞(インサドン)は古い料亭も多いが、新しいお洒落な飲食店も多い。案内された店も客層は若い。お酒でもコーヒー・お茶でも・・・・という感じ。
若い歌手がライブで歌っている。趙寛濟(チョ・カンジェ)さんが恨歌だと教えてくれる。ここでも金水正(キム・スジョン)さんはパジョンを切り分けている。
 11時、コンビニで買い物をしてホテルへ戻り、浜本・マエオカ・江田・田代で反省会。松田さんのお土産の済州の焼酎(ソジュ)をいただく。


1月23日(日)

 宿舎の鳳凰荘のある鐘路3街(チョンノサムガ)の裏通りはまだまだ韓式の瓦屋根の家が残る一角。朝7時、トイレの窓から見る雪景色が美しい。
 田代と早苗さん、近くの銭湯(サウナ)へ。入浴料一人3千ウォン。早苗さんは念願のアカスリ。1万5千ウォン。
 クニさんと共に近くのヘジャンククの店へ。店といってもバラックの雑炊屋という感じ。ほんとの大衆朝飯。なんたってヘジャンクク一人前千5百ウォン(140円)。さすがに白菜ばかりで血の固まりは見つからない。
 田代・早苗・おだチーム仁寺洞でショッピングへ。出展者の漫画家の皆さんへのお土産をガナ・アートとトンイン(通仁)で物色。ガナ・アートはモダン。トンイン(通仁)はちょっと伝統色。
 浜本・マエオカ・江田チームは先に帰国のクニさんを文化院へ送った後、若い女の子の多い新村(シンチョン)地区へ。「江田さんがナンパに挑戦」というテーマで出発・・・・。
 正午、田代と早苗さん、92年の草サッカー初遠征からお世話になっている田喜久(ジョン・ヒーグー)さんと文化院で待ち合わせ。おださんも誘うが、本を物色したいとのことで大型書店の教養文庫(キョボムンゴ)へ。
 浦川さんも合流して、田(ジョン)さんの車で官庁街の韓式料理屋さんへ。太刀魚料理がメイン。
スープがアオサのような海草をたっぷり入れた湯(タン)。初体験。
 おださんの昼食はマクドナルドの韓式焼き肉バーガーだったとか。
 午後2時より似顔絵プレゼント。韓国側は徐徐永(ソ・セヨン)さん・李海光(イ・ヘガン)さんと姜壹九(カン・イルグ)さんとカトゥン・パンチ(若手一コマ漫画グループ)数名。
 終了する頃、金水正(キム・スジョン)さんも来てくれる。食事に招待したいと考えておられたようだったが、カトゥン・パンチとの予定があると話すとその時間まで喫茶店での交流におつき合い。新会長としての責任を考えてらっしゃったか。喫茶店は金水正(キム・スジョン)さんのおごり。
 午後6時くらいからやはり仁寺洞の食事処でカトゥンパンチのみんなと交流宴会。プルコギ丼・イカ辛子煮丼・ビビンパップ・パジョンなど。お酒はトンドン酒・薬酒・焼酎などいろいろ。ワイワイとプレゼント交換。一人ずつ短いスピーチ。「去年は疲れで倒れたが、今年は大丈夫」という江田さんのスピーチで閉め。外へ出たら、ヘタヘタと今年も倒れる。浜本さんとマエオカさんがホテルへ送る。
 カラオケに行こうとするがいい店が見つからず、喫茶店へ。昨年江田さんが倒れた店。緑茶やら人参茶やら種類が多い。オンドルコーナーで車座になって歓談。碁盤があり、ホテルから戻ってきた浜本さんが五目並べを始める。勝ち抜きの韓日対抗戦に発展。
 カトゥン・パンチと11時ごろ仁寺洞で別れホテルへ。
 田代の部屋で反省会。マッコリも焼酎もまだまだたっぷりある。


1月24日(月)

 10時、子供のお土産を買わねばとプランタン百貨店へ行くが開店は10時半。鐘路沿いの店で子供向けお土産を購入。ピアス、マニキュア・・・・。1992年に家族で韓国に来たときは子供も小学生だったけど、大きくなっちゃった。
 10時45分、ホテルの前でオバチャンを交えて記念撮影。11時、文化院の駐車場で担当者梶川さんを交えてもう一枚。
 午後2時、関空へJL962便/マエオカさん。成田へJL952便。金浦空港か飛び立ったという、あれよあれよの3泊4日。でした。


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